私はうなぎが好きです。かば焼きにしたときの、あのパリッとした皮目とふっくらした身、ごはんにかけたら何でも美味しくなるんじゃないの?と思うタレ! ベストマッチですよね。でも、うなぎってどうしてあんなに高いのでしょうか。(>_<)
養殖で大量生産できないのかな?
きっとこれには理由があるんだろうと思っていたところ、ワシントン条約会議のことをニュースで知りました。2016年9月25日、南アフリカで行われたワシントン条約会議でうなぎについて議論されたというのです。
そんなうなぎが絶滅危惧種であること、その意外な原因を今回ご紹介したいと思います。そうなのかぁ~!と知らなかった私は思わずナットク。その他に今回話題に上った注目の生物も一緒にご紹介します。ぜひぜひ、コーヒータイムのひとときにでもご覧ください♪
私たちが食べるニホンウナギ!絶滅危惧種の原因とは?
2016年9月25日、南アフリカのヨハネスブルグで行われていたワシントン条約会議で、うなぎの国際取引に関する実体調査を求める決議案が採択されました。この調査の結果によっては、今後ニホンウナギが取引規制の対象となる恐れがあると心配されています。
え゛~? ますます私たちの口に入らなくやるやん!! (:_;)
私たちが普段口にしているうなぎというのが、ニホンウナギ。主に日本で食用にされているうなぎで、養殖のうなぎも含めて、稚魚の大半が天然 なのです!これは私にとって、すっごく意外な事実でした・・・。
うなぎの養殖は、海で生まれた天然の稚魚を河口付近で捕まえて、そこから半年~1年かけてうなぎの成魚に育てるのだそうです。その天然の稚魚が、なかなか獲れなくなっているのです。1957年(昭和32年)頃は200トン以上だったのが年々減っていき、平成に入ってからは10数トンという漁獲量になっています。(水産庁調べ)
では、どうして稚魚が獲れなくなってきたのでしょうか?
- 乱獲
- 海洋環境の変化
- 河川環境の悪化
これらが主な原因と言われています。簡単にご説明しますね。
乱獲
いわゆる獲りすぎですね。うなぎの生態系は未だに解明されていない部分があり、産卵場所が見つかったのも最近で、非常に謎の多い生き物とされています。また、養殖をすると、なぜかオスばかりが生まれてくる、などという不思議な現象もあるそうです。
海洋環境の変化
ニホンウナギは、マリアナ海溝沖で産卵するということが、つい最近(2009年)突き止められました。そしてその稚魚は、北赤道海流に乗って黒潮とぶつかり、日本近海にやってきます。約半年くらいの長い長い道のりをかけて、遠い遠い日本沿岸へと辿り着くのですね。
ところが近年、海流の変化で日本に辿り着けずに死んでしまううなぎの稚魚が増えている というのです。
河川環境の悪化
日本沿岸に辿り着いた稚魚は、川の下流域で初期成長します。そして、一部は上流へ向かって親となるまで川で成長するものもあれば、川を下って河口や沿岸部で成長するものもいます。
ところが、日本各地の河川に河口堰が作られ、稚魚が川を遡れなくなってきている ことがわかってきました。やっと辿り着いても、親までに育つことができず、うなぎの産卵数が減っているというのです。
じゃあ、稚魚も輸入すればいいやん!
と思うところですが、実は ヨーロッパウナギは、2009年にすでに取引制限されているのです。
中国産の輸入うなぎとして売られているのが、ヨーロッパウナギ。それは2009年すでに、ワシントン条約の対象になり、輸入するには輸出国の証明書が必要になっているのです。また、ニホンウナギが生息する台湾なども、稚魚の輸出を規制しているというのです。(>_<)
そもそも「ワシントン条約」とはなにか? ここで少し触れておきますね。
181の国及び欧州連合(EU)が集まり、2年に一度会議が行われているのだそうです。野生動物の数が減って、絶滅してしまうのをなんとか食い止めるために。
そこで今回注目のうなぎ! 今後期待されるのが、完全養殖 ということになるのですね。
うなぎの完全養殖とは?
うなぎは、養殖をするにしても、天然の稚魚を獲って育てるというのがわかりましたよね。そこで、大量生産のために研究されているのが、完全養殖。
そう!卵から育てるのです。
それは、親うなぎを育てることから始まるのだそうです。第一世代の親うなぎを育て、人工授精で次世代を生み出すのです。その第二世代が生んだ卵からかえった仔魚(しぎょ:稚魚の前段階)を育てて人工稚魚を作るのです。2010年、独立行政法人 水産総合研究センターでは、うなぎの完全養殖の実験に成功したと発表されています。
けれども、このうなぎの完全養殖には、長い間積み重ねた研究の努力と、膨大な費用がかかっています。研究用に飼育を始めた仔魚は24,000匹で、成長したのはわずか約100匹。研究費は、少なくとも約7億円。
本当に、気が遠くなりそうですよね。だから、卵からの完全養殖の実用化はまだまだ先のこと。いまだ市場には出回っていないのが現実なのです。
では、今回の会議で注目され話題に上ったその他の生物について、次に少しご説明します。今回、どうしても一緒にご紹介したいので、見て行ってくださいね!
象の数が激減
アフリカゾウの数も激減していると言われています。今回の会議での最大の焦点は、象牙取引の全面禁止 です。
1970年代には100万頭以上いたアフリカゾウが、2016年8月の調査では 約35万頭 にまで減っているのです。個体調査団体「グレート・エレファントセンサス」は、このペースでいくと9年ごとに象の数は半減すると発表しています。
え゛っ?! じゃあ、数十年後には居なくなっちゃうやん!
実は、1989年のワシントン条約では取引が 原則禁止 となっているのです。けれど、まだまだ密漁など、国によっては象が殺され取引されているという現実が後を絶たないのです。そこで今回のワシントン条約会議では、考えていくべきだということになったのです。
これに対し、日本は取引禁止に反対し続けている というのです。
どういうこと? と思いますよね。^^;
日本の主張
自然死や有害駆除された象だけを買えば、地元の人にお金が回り密漁も防げる。350年に及ぶ日本の象牙文化を守ることが、象の保全につながる。
日本で象牙は、はんこ や、三味線のばち の材料として使われています。
日本の象牙文化を守るのなら、密漁してでも象牙が必要なのでは?と思いますよね。けれども、密漁されたもので取引しなくても、自然死の象だけで供給分はじゅうぶん賄える。その象牙文化を残すことこそが、象の命を守るというスタンスなんですね。なるほど。
象の牙は、鹿の角と違って、前歯が変形したものなのだそうです。象が生きたまま牙を抜くと、神経の通ってる前歯を抜くのと同じことで、放っておくと細菌に感染して死んでしまうというのです。イタタタ・・・(>_<)
日本の言い分も分からないでもないです。結局、密漁ということには反対なんですよね。年々減っていく象たちを、無理やり殺さないで欲しい・・・。
サイも密漁の被害に
サイの密漁被害も深刻化しています。サイの生息頭数は、全体で25,000頭と言われています。南アフリカだけで2015年には、1,100頭以上が密漁で殺されたのです。
「近い将来、絶滅してしまう」 と南アフリカ政府は危惧しています。
なぜ、サイが密漁の被害に?
アジアでは、がんに効くと、サイの角の需要が急増しているというのです。サイの角1本は約10キロぐらい。と、いうことは1本の角を全てその漢方薬に変えたとすると、約1憶円!! 驚きの金額ですね。。。ゴールドやプラチナよりも貴重で、高額取引されていると言います。恐ろしい!
サイの角は、角質です。つまり、爪に近い物質なので、がんに効果があるというのは、科学的な証明も一切なく、全くの迷信なのだそうです。
さいごに
2016年9月25日、南アフリカで行われたワシントン条約会議で、うなぎが絶滅危惧種になるというニュースを耳にしました。
うなぎが好きなのに、絶滅危惧種になってしまうとこれから先、うなぎが食べられなくなってしまうん?!今でも結構高いのに・・・。
そんな心配から、うなぎがどうして絶滅危惧種に指定されることになったのか、その意外な原因についてご紹介しました。そしてその他にも話題に上った、象・サイなどについても。いかがでしたか?
- うなぎ
- アフリカ象
- サイ
天然の稚魚を捕まえて、それを育てて養殖。乱獲・海洋環境の変化・河川環境の悪化が漁獲量激減の原因。
象牙取引により、象の密漁が激減の原因。日本は象牙文化を守るため、象牙取引禁止には反対のスタンス。
サイの密漁が急増。サイの角ががんに効くという信仰が原因。富の象徴として富裕層にも人気。
密漁も巧妙化し、さまざまな対策が講じられていると言います。しかし、密漁は続いており改善は見られず、取り締まりが追いついていないのが現状です。
私も、いつだったかペットとして違法取引されるため、オランウータンを密漁しているシーンをテレビで見たことがあります。人間と変わらない動物の、悲しそうな顔が忘れられませんでした。
うなぎ好きの食いしん坊の私が、うなぎの危機から地球規模の?!問題まで考えさせられました。人間のエゴや勝手で、絶滅の危機にさらされている希少動物を、失わないようにしたいものです。
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