先日、友人に借りていた感動の本を読んでいたときに、その言葉は出てきたんですよね。
「あり得る」
ありうる ・・・ ありえる ・・・あれっ?! これってどっちが正しいのかなぁ~、なんてふと気になったのです。
話し言葉ではなんとなく、どちらにも聞こえるような感じなのですが、この機会に本当はどう読むのが正しいのかを知っておきたくて。
今回はそんな、実は間違えているかもしれない、意外と知らない漢字の読み「あり得る」についてご紹介したいと思います。
言葉好きの私と一緒に、ちょっといっぷくのつもりでお付き合いください。(^_-)-☆
「ありうる」「ありえる」どっち?
“その可能性がある” という意味で使われることばですが、読みは・・・
あ り う る
が、正しいのです。
動詞の「得る」は “える” と読みますが、もともとは、文語文法における動詞の活用のひとつである下二段活用の動詞「ありう」の連体形「ありうる」を終止形にも用いていて、現代語でも「ありえる」という形にはならないで、変則的な下二段活用の形を保っているというのです。
未然 連用 終止 連体 已然 命令
え え う うる うれ えよ
なんだか難しい話になってしまいましたが・・・。(苦笑)高校時代に習ったような?!気もします。そこで、下一段活用・下二段活用、どんなだったかなぁ~なんて調べていてこんなサイト 5分でわかる!下一段・下二段活用の動詞 を見つけたので、もし興味があれば見てみてください (^^♪
許容の範囲
2018年の “毎日ことば” というサイトでの「あり得る」をどう読むかという調査では、
ありえる・・・13.3%
上のどちらもあり得る・・・43.2%
という結果だったそうです。「ありえる」と読む人は少数ながらも、「ありえる」と「どちらもあり得る」の回答を合わせれば過半数で、「ありえる」の読み方を許容するという結果と読み取れます。
一方、「NHKことばのハンドブック第2版」(NHK放送文化研究所編)では、「得る」の項目はこう書かれているそうです。
――口語ではなるべく〔ウル〕と言わず、〔エル〕と言う。(中略)なお、「あり得る」は〔アリウル〕が伝統的。
口語では、「える」と言うとしながらも、「あり得る」を「ありえる」とするように促してはいないのです。
また、現代国語例解辞典5版では、「最近では “ありえる” という形も使われる」と許容されているようです。砕けた感じのインタビュー記事などでは、そのほうが自然な場合もあるのでしょう。
さいごに
先日、友人に借りていた感動の本を読んでいたときに出てきた「あり得る」という言葉。「ありうる」「ありえる」これってどっちが正しいの?とふと気になりました。
そんな、実は間違えているかもしれない、意外と知らない漢字の読み「あり得る」についてご紹介しました。いかがでしたか?!
文語の「ありう」の連体形「ありうる」が終止形にも用いられ、変則的な下二段活用になっているということでした。
私が今回感じたのは、「ありえる」は話し言葉で使い、会議や書類に書いているものを読むときには「ありうる」を使うとか、改まった場では「ありうる」を使い、砕けた場所では「ありえる」と使う、というような、なんとなくそんな感じなのかな~?!という気がしました。
正しい読み方は、「ありうる」 ですが、否定形が「ありえない」ということもあり、やはり「ありえる」という言い方も間違いとは言えないのかもしれません。
日本語の面白さというか、本当に奥が深いですね。(^_-)-☆ こうして私はますます言葉に興味が湧いてくるのです。
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