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通勤も自転車だったので、あまり電車に乗って出かけることのない私。久しぶりに電車に乗ったら、駅のホームにホームドアというものが設置されているのに気づいたのです。
あれっ!こんなの前からあったっけ?
と、とても驚いたのを覚えています。
そして、最近また増加しつつあるという視覚障がい者のホーム転落事故。このニュースを聞くたび私は、とてもお気の毒で残念に思っていました。そんな時、この素晴らしい安全対策がもっともっと広がればいいのになぁ~と願ったのです。
先日見たテレビでも、このホームドアのことを取り上げていたんです!
ホームドアの設置にかかる費用、なぜ進まないのか、私たちはどうすればいいのかということをとても分かりやすく説明してくれていました。
私のとても尊敬する人物が、視覚障がい者であるということもあり、私はそれを食い入るように見ました。
今回は、そんなホームドアについて、その費用がいかに高いのか、それだけではない設置が進まないワケ。そして、進まないなら私たちにできることはないのか? をご紹介します。
皆さんにもぜひ、気にかけていただければなぁ~・・・なんて思います。
ホームドアの設置にかかる費用とは?
たぶん、見た感じで費用がかかりそうなのはだいたい想像がつきますよね。どの駅にも設置されているという訳ではないようですし。
ひとつの駅にホームが2つだとすると、約20億円ということになります。やはり、驚きの金額ですよね。 ※もちろんこれらは鉄道会社の負担です。
大半の駅で、ドアだけでなくホームの補強工事が必要となるからなのです。
今現在あるホームのほとんどが、ホームドアの荷重に耐えられない。なので、上を整備するだけでなく、下の部分の基礎工事からもう一度やり直さなければいけないのでこれだけの費用がかかる、ということなのです。
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設置が進まないワケ
お金がかかるのもさることながら、ホームドアの設置がいき渡らないのには、そのほかにも以下のような理由があるというのです。
- 車両の規格がマチマチ
- 構造上の問題
では、簡単にご説明しますね。
車両の規格がマチマチ
ひとつの車両につき扉が2枚あったり3枚あったりと数が違ったり、扉の付いている位置が違うのです。
構造上の問題
ホームにはそれぞれ独自の規格があり、ホームが狭くて柱がある、ホームドアを設置すると車いすが通れなくなる、などの構造上の問題があるというのです。
これらの問題があり、なかなか設置が進まないというのが現状のようです。では、そんな中、対策として本当に必要なものは何か?というのを次に見ていきたいと思います。
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私たちにできること
駅のホームでの転落事故を無くすには、ホームドアの設置が望ましいのは一目瞭然です。
でも、これだけの費用や構造上の問題を抱えている現状、そう簡単に解決されることではないようです。では、私たちにできることとはどんなことなのでしょうか?
ホームドアの補完 「点字ブロック」
点字ブロックは、正式名称を「視覚障がい者誘導用ブロック」と言います。視覚障がいの人が白杖を持って足の裏の触感覚で認識するものです。
点状ブロック | 線状ブロック | 内方線付点状ブロック |
---|---|---|
点が並んでいて、注意すべき位置を示します。階段前、横断歩道前、分岐点、案内板の前、障害物の前、駅のホームの端などに設置されています。 | 進行方向を示します。突起の方向に従って進むことができるように設置されています。 | 点状の突起に加え、ホーム側に線状の突起を付けることでホーム側と線路側を分かるようにしています。 |
点字ブロックが視覚障がいの人に有用なものであることは広く知られていて、今ではいろいろな場所に幅広く設置されています。
しかし私たちは、点字ブロックの上に荷物を置いたり、点字ブロックの上に並んだり、気づかず点字ブロックをふさいでしまっているのです。悪気はないのだけれど、私たち自身が障害物となってしまっているのでしょうね・・・残念なことですが。
視覚障がい者は、駅のホームを欄干のない橋と例えます。
私たちの何気ない行為が、人の命にかかわることになり兼ねないということを、もっと認識する必要がありそうですね。私も気をつけたいです。
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心のバリアフリー 「声かけ」
日本盲人会連合アンケート(2011年)によると
Q.「なぜ転落せずに済みましたか?」
A.「まわりから声をかけられたから」「体や腕をつかまれて止められたから」
120人/151人中の人たちが、声かけのおかげで助かったと答えたそうです。
けれども、声をかけられないというのが現状です。
なぜなんだろう?
勇気を出して声かけしても断られたらどうしよう? 急に声をかけて逆にびっくりされるのでは? なんて思ってしまうからというのです。
そこで、日本盲導犬協会の人が教える「声のかけ方」を最後にご紹介します。
ただし、転落防止など緊急時の場合は、「盲導犬を連れている人、ストップ!」 などのように、自分のことだと分かるように呼びかけ、その人が立ち止まった後に、具体的な状況を伝えて危険を回避してもらうようにしましょう。
これは、盲導犬協会のかたがおっしゃっていた言葉です。ぜひ、私も勇気を出して実行したいと思います。
さいごに
最近電車に乗って気づいた ホームドア 。
視覚障がい者のホーム転落事故という悲しいニュースを聞くにつけ、私はこの安全対策がもっともっと普及すればいいなぁ~なんて思っていました。
そんなとき、テレビでやっていたホームドアの設置にかかる費用が高額で設置が進まないワケ。そして私たちにできることは何なのか、などをご紹介しました。いかがでしたか?
- 設置にかかる費用はホームドアひとつ約10億円
- 設置が進まないのは車両の規格やホームの構造上の問題
一刻も早くすべての駅にホームドアが設置されることを願いつつも、これらの問題がネックになっていてなかなか進まないのが現状です。
これを少しでも打破するには、私たち自身でできることに目を向ける必要があります。
私が尊敬する人に、藤野高明先生という人がいます。小学校2年生のときに、不発弾で遊んでいて暴発し、両手を失い両目を失明。その後さまざまな困難を乗り越え、唇で点字を読み、不屈の精神で盲学校の先生として30年間指導されたという壮絶な人生を歩んでこられたかたです。
私が初めて先生を知ったきっかけは、私が以前勤めていた会社の知人が入賞した全国盲学校弁論大会でした。その弁論の中に登場したのが藤野先生でした。
障がいを壁と思うか扉と思うか、それは本人次第
という言葉にとても感銘を受け、どうしてもお会いしたいと思い紹介していただいたのです。
先生にお会いするため、私は障がい者の外出介助をするのに必要な、同行援護従事者・ガイドヘルパーの資格も取りました。
藤野先生にお会いできたことは、私のこれまでの人生のうちで最も素晴らしく有意義なことでした。
そして、藤野先生の著書「未来につなぐいのち」の中にも、「落ちる」という見出しの文章があります。
「落ちる」という体験はぼくたちの仲間の多くが味わっている。全盲者が一人歩きしていて一番こわいのがホームからの転落である。 ~(中略)~ ぼくたちがホームから落ちるとき、その瞬時に心をよぎるものはなんとも説明しがたい、みじめさである。仲間にも自分にもくりかえさせたくない、危険で忌まわしい体験である。
これを読んだとき、胸がギューッと締め付けられるような何とも言えない気持ちになりました。先生は、3度も落ちた経験がおありだそうです。
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障がいのある人、ない人、すべての人がお互いを思いやり、助け合うことが心のバリアフリーになるのではないでしょうか? ひと声かけることで、危険からも防ぐことができ、心も豊かになるのです。
今回は視覚に障がいのある人についての安全対策・ホームドアということで紹介してきましたが、本当はそれだけではないんですよね。
そう、歩きスマホや酔ってホームに転落する人も問題です。皆さん、本当に気をつけましょう。
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