清水の舞台から飛び降りるって本当にあったの?ちょっと意外なトリビア

日常

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清水寺に行ってきました。紅葉の季節なので久しぶりに♪ 相変わらずの絶景で、とてもきれいでした。

そういえば、 「清水の舞台から飛び降りたつもりで」なんていう例えがあるけれど。高さは約12メートル(1階を3メートルとすれば4階!)と言われています。

本当に飛び降りるって人がいたのかな?

もしいたならなぜ?どうして?と、行って、その高さや景色を見て、なんだかとても気になって知りたくなりました。

今回はそんなちょっとした話をご紹介したいと思います。コーヒーブレイクとしてお楽しみください♪

清水の舞台から飛び降りる

 

清水寺塔頭・成就院に残る『成就院日記』の記録によれば、実際に飛び降りた人が元禄7年(1694年)から元治元年(1864年)の間に未遂を含み235件に上り、生存率は85.4パーセントであった。明治5年(1872年)に京都府は「舞台飛び落ち」は封建的な悪習であるとして禁止する布令を出し、舞台欄干周囲に柵を張るなどの対策を施したことで、「飛び落ち」は影をひそめた。

Wikipediaより

本当に飛び降りる人がいたんですね!

これには、当時の時代背景があったのです。いわゆる「願掛け」です。

命をかけて飛び降りれば願いが叶うという信仰が庶民の間で流行っていました。また、江戸時代には、傘をさして清水の舞台から飛び降りると恋が成就するなどという迷信もあったそうなのです。

江戸中期の浮世絵師、鈴木春信の「清水舞台より飛ぶ女」

江戸中期の浮世絵師、鈴木春信の「清水舞台より飛ぶ女」

画像は、http://paradjanov.biz/art/favorite_art/favorites_j/1493/ よりお借りしました。

それにしても、生存率85.4%とは!江戸時代までに 235人が飛び降り、約200人が助かり35人が亡くなったという計算です。

昔は、舞台の下には草木が生い茂り地面も柔らかかったのが幸いしたと言われています。

飛び降りた人のほとんどは京都の人ですが、中には福島県や新潟県、西は山口県や愛媛県の人たちもいたそうです。

男女比は7:3、最年少は12歳、最年長は80歳代。年齢層では10代~20代が約70%を占めていたということです。

じゃあ、この清水の舞台は何のために作られたのでしょう?

なんと!たたみ100畳分(約190平方メートル)もあります。まさか飛び降りるためにではないだろうと思うと、ちょっと気になったので調べてみました。
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清水の舞台は何のために作られたの?

清水の舞台が何のために作られたのか? 面白い逸話などを含めると諸説あるようです。例えば、弁慶と牛若丸は五条大橋ではなく、この舞台で戦ったとか。そこで、私がとても納得した2つをここでご紹介したいと思います。

  • お参りをするための順番待ち
  • 清浄な空気を吸うため

では、順に簡単にご説明しますね。

お参りをするための順番待ち

清水寺は、法相宗の僧侶・延鎮(えんちん)によって開かれました。奈良時代の終わり778年、修行の途中の京都・東山で清水の湧き出る滝と出会ったのが始まりです。

延鎮が彫ったとされる観音様がご本尊。宗派や身分に関係なく、誰でもわけ隔てなく救うと言われ、庶民にとっては数少ない祈りの場所となりました。

そんなことから平安時代には観音信仰の人気が高まり、参詣する人が増え、順番待ちの場所となったそうです。

実は「源氏物語」や「枕草子」「更級日記」にも、清水寺がお参りする人で賑わっていたというのが分かる記述があるのだそうです。今も昔も清水寺は人気のスポットだったんですね!

混雑でゴミゴミしているというより、お参りで賑わうというのが神頼みへの必死感がなくて、ただただ、いいなぁ~・・・と、私は思うのです。
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清浄な空気を吸うため

清水寺のあたりは鳥辺野(とりべの)と呼ばれ、墓地や葬送の地だったそうです。平安時代、庶民は墓を作れず墓地に入ることはできませんでした。

庶民は、亡くなったら遺体を川に流すか、そっと人目のつかないところに置き去りにするしかなかったのです。それではあんまりだということで、遺体を処理する場所を限定しました。その中の一つが鳥辺野でした。

清水寺は、急な地形の山肌に建てられていたので、その舞台から遺体を崖の下へと放り投げたそうです。

遺体が土に還るまでに3~5年はかかると言われています。その腐敗する臭いというのがもの凄いものだったのです。そこで、12メートルもの高さの張り出しを作って、少しでも上空の清浄な空気を吸うことができるようにと悪臭対策としたそうです。

お寺なのに遺体を放っておくなんて本当に意外だったんですが。

しかし、逆にそれが一番説得力を感じたんですよね。お墓の持てない庶民も、せめて亡くなったら神様仏様のおそばに・・・という願いのようなものもあったのかなぁ~なんて。

また一方では、「能」や「狂言」を奉納するための舞台という説もありますが。能や狂言は室町時代に流行ったものですから、清水の舞台で能や狂言を奉納されたことがあったとしても、これは後付けの理由だといわれています。

余談になりますが、この清水の舞台は、木曽檜(きそひのき)板が使われているため、ここで演技をするのは名誉なこと、腕前を披露する晴れの場所 檜舞台 の語源となったそうです。

ところで、1200年以上経ったいまだにこれだけの観光客で賑わっているこの清水の舞台。これって凄いと思いませんか? ジャングルジムみたいな造り、その構造についてちょっと見てみましょう。
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清水の舞台を支える懸造り工法

清水の舞台は、木曽檜の板が約410枚。これだけの大舞台を長い間支え続けている欅の柱は18本

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釘を1本も使わず長い柱を格子状に組んで楔(くさび)で固定し床下を支える、「懸造り(かけづくり)工法」 という伝統的な工法で建てられています。傾斜や段差の多い、国土の狭い日本で発達した建築様式です。

現代では、部材を縦横の格子状に組んで接合部分をボルトや溶接で頑丈に固定する 「ラーメン構造」という工法があります。重機や建築技術の発達した今の時代ならまだしも、当時、これだけの頑丈なものを作れるなんて!! 本当に昔の人の知恵と努力には感心させられますね。

そして平屋が多かった時代に、12メートルという高いところに大舞台を作ったことにも。そりゃあ、飛び降りて助かれば願いが叶う、もし死んでも成仏できるなんていうことが信じられていたのかもしれませんね。

清水の舞台を順路通りに坂道を下って歩いていくと、「音羽の滝」があります。最後にこのパワースポットについて少し。

清水寺の聖水「音羽の滝」

境内に湧き出る水が3つの筋になって落ちて来る「音羽の滝」。恥ずかしながら私は、お寺や神社の入り口によくある手を清めるための「手水舎(ちょうずしゃ・てみずしゃ)」と思っていました。

実はこの清らかな水が、観音信仰の「延命の水」として知られるようになり、それが「清水寺」の由来になった とも言われているものなのです。

この落ちてくる3つの筋の水の流れには、観音の教えの深い意味があるというのです。知らなかった・・・

向かって左から、「学問成就の水」「恋愛成就の水」「延命長寿の水」となっていて、流れ落ちてくる水を柄杓で受けて飲むのです。

ただし!全ての願いを叶えたいからといって、3つ全部の水を飲んではいけません。(全部を飲んでしまうと欲深いとされ、ご利益がなくなります。)

そして、どれか1つに願いを込めて、柄杓で受けた水はひと口で飲み干します。
(ふた口でご利益は半減、み口でご利益は3分の1になってしまうといわれています。)

また、この場所は「仏の心、人の心、己の心」の声を聞けるとも言われています。これがいわゆるパワースポットといわれる所以なのでしょうね。

簡単な地図を載せておきますので、ご参考にしていただければ幸いです。

☆拝観時間や交通の便については、清水寺のホームページでご確認ください。
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さいごに

紅葉の美しい季節に、久しぶりに清水寺に行きました。京都を一望できる清水の舞台から絶景を眺めたとき、「清水の舞台から飛び降りたつもりで」というフレーズを思い出し、ここから飛び降りる人って本当にいたのかな?と、とても気になり調べてみました。

ちょっと意外な京都トリビアいかがでしたか?

これには、「願掛け」という時代背景があり、命をかけて飛び降りれば願いが叶う と、本当に飛び降りる人がいました。

また、傘をさして清水の舞台から飛び降りると恋が成就する などという迷信も影響していたようです。

清水寺には、何度か行った記憶があるのですが、単なる観光地程度にしか思っていませんでした。

あの清水の大舞台を支えているのは、懸造りという伝統的な工法 だったこと。「仏の心、人の心、己の心」の声を聞けるとも言われる音羽の滝 は、なるほどのパワースポットだったこと。

やはり年のせいか?いろいろなことにとても興味が湧いてきて。知ることで、意外な事実に遭遇できます。

これからも、出かけたところで心の赴くまま行動し、先人の知恵や教えに感動していきたいなぁと思う今日この頃です。

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コメント

  1. なつよん より:

    (^。^)

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